秋が近づいてきています。暑かった夏から涼しい秋へと気候が大きく変化するため、体調が不安定になりがちですが、特にこの時季は空気が乾燥しはじめるため、呼吸器系に負担がかかって風邪を引きやすくなるといわれています。
そんな呼吸器系の不調予防法として、セルフメディケーション協会代表理事の天野賀恵子さんは、「ヨガの呼吸法をとり入れると、肺の機能を活性化することができて風邪などの不調予防になります」とアドバイスします。
「ヨガの呼吸法には、自律神経の働きを整える効果も期待できます。そのため、血行やホルモンバランスなどが改善されやすくなり、風邪や空ぜきなどの予防はもちろん、さまざまな不調予防にも役立つでしょう」(天野さん)
そこで今回は天野さんに、運動が苦手な人や体が硬い人でも手軽にできて効果的なヨガの呼吸法をご紹介いただきましょう。
①椅子に浅く座り、両ひざをつけて太ももの間に紙を1枚挟みます。背筋をまっすぐ伸ばし、太ももに力を入れて紙をしっかり挟みましょう。
②両手のひらをおなかに当てて、口を閉じます。鼻から5秒かけてゆっくり息を吐き出しながら、おなかをへこませていきます。
③今度は鼻から5秒かけてゆっくり息を吸います。吸った息でおなかをふくらませ、おなかに当てている手を押し出すようにします。②~③を5回繰り返しましょう。
「深い呼吸をすることで肺機能を強化して、自律神経の働きを整えることができます。太ももに力を入れることがポイントです」(天野さん)
また、自律神経の働きを整える方法として、爪の付け根を押す"プチヨガ"もおすすめです。
次の手順で行ってみてください。
①左手の親指と人差し指で、右手の親指の爪の付け根を両サイドから挟むようにつまんで、強めに5秒押します。
②同様に人差し指、中指と順番に爪の付け根を押しましょう。ただし薬指は押さないように注意します。左手の指の爪の付け根にも同様に行います。
「爪の付け根を押すプチヨガは、バスや電車の中でも手軽にできますので、ちょっとした時間を見つけたら行ってみてください」(天野さん)
秋口の体調の変化をうまくコントロールできれば、寒い季節になっても体調管理がしやすくなるはずです。
ヨガの呼吸法とプチヨガを、これからの季節の不調予防に役立ててください。
監修者 天野賀恵子さん
一般社団法人セルフメディケーション協会代表理事。国際中医師。全米ヨガアライアンス200TTC 修了。北京中医薬大学日本校中医薬膳専科、薬膳研究科卒業。上海中医薬大学日本校大学専科コース中医学卒業。丸の内朝大学などにて薬膳やヨガ講座を担当。セルフメディケーションを広める講師育成にも力を入れている。