ゴールデンウィークが明ける頃になると、多くの人が感じる五月病。一般的に、新年度になって新しい仕事や行事に追われ、ゴールデンウィークにようやく一息ついた途端に疲れが吹き出して起こるものだといわれています。
そんな五月病について、「東洋医学では、『肝』の働きが低下することで起こると考えられています」と解説するのは、鍼灸美容研究所こきゅう南青山院長の土井ひろこさんです。
「東洋医学でいう『肝』とは、肝臓の機能だけでなく、"精神や感情の安定"や"気(エネルギー)の流れの調節"なども含む体の機能をさします。『肝』の働きは春になると活発になりますが、春から初夏へと移り変わる5月になると『肝』に疲れがたまるようになり、その影響で、精神や感情が不安定になってやる気が出なくなったり、気の流れが悪くなって元気が出なくなったりして五月病が起こるのです」(土井ひろこさん)
どうやら五月病とは新年度の忙しさだけでなく、季節の変化にともなう「肝」の働きの停滞にも原因があるようです。そこで今回は、「肝」の働きを助けて五月病を和らげるのに役立つツボを、土井さんに教えていただきましょう。
◎疲労感・ストレス・イライラ対策のツボ「太衝(たいしょう)」
足の親指と人差し指の甲側にある骨を指でたどっていくと、甲の中央付近で骨が交わります。その交わる部分のくぼみが「太衝」というツボ。このツボを、息を吐きながら指で少し強めに、「痛気持ちいい」と感じる程度に10秒間押しましょう。これを左右の足それぞれ3回ずつ行うと、「肝」の機能が整い、疲労感やストレスが緩和されます。
◎精神の不安定・不眠対策のツボ「内関(ないかん)」
手のひらを上に向けると、手首にシワがあります。そのシワに合わせるようにして、反対の手の薬指を乗せ、中指、人差し指も手首に乗せましょう。人差し指が置かれた位置のすぐ隣に「内関」というツボがあります。このツボを、息を吐きながら指でやさしく、「気持ちいい」と感じる程度に10秒間押しましょう。これを左右それぞれ3回ずつ行うと、「肝」の気の流れと内臓機能が整い、精神の不安定や不眠が和らぎます。
こうしたツボ押しに加えて、梅干しやかんきつ類などの酸味のある食べものをとることも「肝」の働きを助けて五月病を解消するのに役立つそうです。ぜひあわせて取り入れてください。
以 上
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