なにかと慌ただしい12月ですが、やらずにはいられない大掃除。年末の風物詩となっています。なぜ忙しいこの時期に大掃除をするのでしょうか。それにはそれなりの意味があるのです。
◆大掃除の由来
掃除という文化が日本に入り、習慣として庶民の間に根付いたのは平安時代のことです。
大掃除は一年の煤(すす)を払い、お正月の神様を気持ちよく迎える準備をはじめる、12月の宮中には欠かせない重要な行事でした。これが「煤払い」と言われており、大掃除の原型です。
◆煤払いとは?
煤払いは単に掃除をして綺麗にするだけではなく、五穀豊穣を祈願し年間のうちに溜まった煤や埃とともに厄や穢れを祓う意味合いを持つ大切なことです。今でも神社仏閣などでは年末の代表的な神事として、12月13日に煤払いをするところが多くあります。
◆正月事始めの日
12月13日はお正月の準備に取り掛かる「正月事始めの日」とされています。
江戸時代に入ると、婚礼以外は万事に大吉とされる「鬼宿日」にあたることから、歳神様を迎える準備を始めるのにふさわしい日として定着し、煤払いが行われるようになりました。
そうはいっても「寒い年末に大掃除はつらい」という人の間では、最近ではゴールデンウィークに大掃除を行う家庭も増えてきているようです。暖かい方が汚れが落ちやすいことと、外出してもどこも混雑するためです。
◆新年を迎えるにあたり
大掃除をするのも、その後しめ縄を飾り門松を置くのも、これらは全て
新年に歳神様にお越しいただくための一連の行事です。
掃除には「掃き清める」という意味があります。
さらに、「祓い清める」という精神的な意味も持つのです。
今年があまりいい年ではなかったと思う人ほど、年末には
心を込めて大掃除をしてみましょう。新しい年を
すっきり気持ちよく迎えたいものですね。
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